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日本人の特技 [田島氏の随筆集]

日本人の手先の器用さは、世界的なものがあるらしい。私どもはあまり意識していないが、外国人と共同作業するとき、それがはっきり顕在化する。私の大学の生物の先生が言っていたことだが、国際的実験作業の場で、器具を使って仕事をしたとき、手先の器用さを外国人から賞賛されたという。自分はそれまで日本人の中で器用だと言われたことはなかったし、特に器用だと思ったこともなかったが、外国人の学者の目にはとても微細な技術の持ち主と見えたらしい。

テレビ番組の中でも、匠の技として最近は良く紹介されているが 、伝統の技術には外国人の驚嘆するようなものがあるらしい。私どもは日本人特有の器用さを大いに誇りに思っていいようだ。

 その器用さは、ごはんを食べるときの箸の使い方や字を書くときの箸の使い方からくるものではないかと思われる。箸も筆も日本人はみんな小さいころから徹底的に教え込まれる。そしてみんな一通りの技術は身に付けている。だからとりたてて意識はしないが、そのようなトレーニングの場のない外国人の目からは、なんと器用な事だと思われるらしい。

 そしてそれは、事実として存在する。日本人はミリ単位の仕事を完璧にやってのける能力はみんな持っている。それが文化・技術・医療・科学などの発展にどれだけ貢献しているかは気が付かないだけなのだ。

 外国人は、みなそのレベルの高さを賞賛する。

NASAの宇宙ロケットも、日本のビス1本がなければ飛ばないといわれている。 

 普通の人にとってもそうなのだから、日本人の中でも名人芸と称えられる技術者は、世界に通用する優れものとして高く評価されている。それは「匠のわざ」といって特に大事にされている。

 私たちは、その器用さを誇りに思っていい。そのような器用な手先を持っていることを認識して、文化・技術・医療・工芸・その他の各分野に大活躍してくださるよう、私はこれからの若い人たちに特に期待しているのである。

 29.2.16 

 田島信威 


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