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セルフネグレクト [田島氏の随筆集]

 朝のテレビで孤立老人の現状を放送していた。セルフネグレクトという状況に陥って、生きる力や希望を見失って、ただ漠然と生きているという人たちのことをいうらしい。そのような人が近年目立って増えているという。

 これらの人々に対して、現在は公的機関は積極的には手を出さず、そのまま放置しているようであるが、それがゴミ屋敷の原因となったり、失火の原因になったりするらしい。社会は自己の安全保持のために、このような老人に対して何らかの措置をとらねばならないという事のようだ。

 戦後、家族制度が崩壊し、老人の面倒を見なくなってきたため、孤立老人が増加しているという。老人は一人になってしまうと、精神的にうつ状態となり、生きる希望と意欲を失い、ただ過去の思い出にすがって死を待つだけとなってしまう。

 しかし、考えてもみよ!現在の社会体制を築き、子供たちを育てて、平和に生きる素地を作ってきたのは、これらの老人たちではなかったのか?

 ぼけてきたから、役に立たなくなったからと言って、老人を放置してもよいのか?それが人間のあるべき姿なのか?いやちがう。人間は、親から子へ、子から孫へとつながって、助け合ってきたからこそ、現在の繁栄と安定がるのだ。これまでの努力が老人たちにあったからこそ、現在の人々の生活があるのだ。

 老人への恩返しは、人間の崇高な義務だ!

 老人を独りぼっちにしてはならない。悲しい人生を送らせてはならない。今の幸せをかえりみて、そのために尽くしてきた功労者に対する感謝の気持ちを忘れてはならない。

 セルフネグレクトの心境に追い込まれないように、家族で、社会で、老人を見守っていかなければならない。

 「保育園落ちた!死ね!」というスローガンが広く共感を呼び、流行語となった。しかし、私に言わせれば、「老人施設に入れなかった!日本死ね!」というスローガンもあったっていい。一人で生きていけない老人を生み出すのは人間の恥だ!我らはそんな無慈悲な事ではなく、みんなが生きがいを持って生きてゆくことができるような社会を作り上げていかなければならない。そのための知恵と力を結集していこう。


29.2.14

田島信威

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